(元)三留女子大生の毎日

しごと、たべもの、すきなこと。

虚言癖が治らない話

私は昔からうそつきです。虚言癖が治りません。

その嘘は本当にちょっとしたものから、人に迷惑をかけるものまで様々です。話のネタにちょうどいいものもあれば、そのせいで信頼を失ったこともあります。実際、父親には泣かれました。「お前の言葉の何を信用したらいいのかわからない」と。自分でもいけないとは思うけど、それでも人生うまく回ってるんだからいいじゃない、と思うこともあります。だって嘘をついて隠していたら、怒られずに済みますから。本当のことを言ったらその場でガツンと怒られてそれで終わりなんですが、ある種致命的な嘘をついてしまう人は、「その場でガツンと怒られる」のが本当に嫌だったりします。

「怒らないから本当のことを言ってちょうだい」なんて言葉は逆効果です。今までの経験から、本当のことを言った瞬間に怒られる、と思ってしまうのです。真実は口を閉ざします。まるで貝のように。そして嘘が口をついて流れ出します。嘘をつくのは自分を守るためです。その場しのぎの紙の鎧でしかないとわかっていても、その時そこにいる自分が傷つくのが嫌なんです。卒業できないことを言い出せなかったときの私がそれでした。

虚言癖のひとは、嘘を嘘だと思いません。自分が本当だと信じれば、それは本当なんです。でも事実ではありませんから、徹底してごまかします。ごまかすための手段も上手です。SNSに証拠を残さないよう、つぶやく時間には細心の注意を払います。誰かに連絡を取るときも、さもそのように時間を計算して連絡します。ないはずのものは徹底して隠し、あるはずのものは別の場所にあるように偽ります。演技も上手になります。声色は普段と変わりませんし、話しぶりもいつもどおりです。頭の中では、さも自分がそうしたように(あるいはしていないように)辻褄の合うストーリーが描かれているから、それに沿って話せばいいのです。

 

私は、今も嘘をつき続けています。

両親には、今年中に教員免許を取れると言っていますが、実は取れません。後期の週2回の授業には全く足を運んでいませんでした。授業に行くふりをして、都会で遊んでいました。

今の彼は、嘘だらけの私を好きになりました。そもそも、彼氏がいないふりをして会っていた時点で嘘をついていましたから。前の彼にひどいことをされて悲しんでいる女の子を演じたから、彼は同情してくれました。今でも元彼と連絡を取っていること、忘れられなくて指輪とネックレスを出してきたことはまだ言えずにいます。

前の彼には、卒業したと嘘をついていました。別れてしばらくしてから、黙っていられなくて話したけれど、彼はきっと私に失望したことでしょう。

同居する祖母には、私が遊びに出たときに、彼氏の家ではなく友人の家に泊まっていると嘘をついていました。

大学の先生と会ってなんかいませんでした。先生と膝を付き合わせて話したのは、卒論提出の1ヶ月前でした。

私は息をするように嘘をつきます。友達との世間話、家族との他愛ない会話、ビジネストーク、面接、その中で息をするように嘘をつきます。誰も傷つかない面白おかしい嘘から、私の評価が大きく変わるような嘘まで。これからも私は一生、大なり小なり嘘をつき続けることでしょう。残念ながら、虚言癖の人に嘘をつかせない方法はありません。その人がプライドを振りかざさなくてもいいような環境を作ることで、嘘をつく回数は減りますが、一度ついた嘘は取り消すことができません。

虚言癖は治らないのです。自分自身も、周りの人も巻き込んで、私は一生自分の付いた嘘と向き合い続けなくてはならないのです。